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「ドーテーの勝手な思い込みだったって、笑ってもいいけどさ。マナミはまだそんなことしないんだって思ってたから、ショックだった」
「そんなこと……」
思いの外、うろたえている自分にびっくりした。
確かにあたしは、セックスに進めないことが不満でリュータローを選び、ヒデオを切った。
でも、それをヒデオに知られるのは嫌だった。
この矛盾は何なんだろう。
「色々、考えたよ。何ヶ月も悩んだ。だけど、高3になって同じクラスになった水沢とよく喋るようになって……」
「何?」
「水沢が、教えてくれた。マナミは高校入る前から男とヤッてたって。だから手を出さない俺が不満で仕方なかったんだろう、って。俺、お前のこと大事にしたかっただけなのに」
さっと、身体から血が引くのが判った。
だけどどうして、水沢エリがそんなことを知ってたの。
そして、どうしてヒデオにそれを言ったの……。
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