4.誤解

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   ヒデオが動く度バカみたいに濡れて、あたしは情けない程声を上げた。  気持ちいい。  今、死にたい。  もっと、奥。そこ、して。  わけの判らないことをあたしが泣きながら口走る度、ヒデオはキスを降らせる。  ヒデオのセックスは加減を知らなくて時々痛かったけど、それさえ涙が出る程感じた。  水沢エリのことなんて、もう考えなかった。  何で去年これをしなかったんだと、後悔といえばそれくらい。  セックスは、あたし達からまともな視界を奪う。  強烈な魔力と、その快楽で。  流れるバラードはいつの間にかギターが高らかに哭く激しいロックになっていた。  去年流行ってたバンドのアルバムか、とぼんやり思った頃、ヒデオは気持ちをぶつけて来るようにして、果てた。  涙が止まらなかった。  その涙の意味は、自分でも判らない。 .
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