312人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
どれを取ればいいのか迷っていると、坂田ヒトシは熱っぽく一途な瞳であたしを真っすぐ見つめた。
ほよよ。
よく見ると可愛い顔してる。
「何でカレシいらなくてセフレなら、って思っちゃうんですか? そんなの、駄目です。女性なのに」
おまけに純情。
ちょっとキュンかも知れない。
思いの外単純なあたしは、坂田ヒトシに興味を持ち始めてしまっていた。
今時こんなストレートなの、案外嫌いじゃない自分に気付いて驚いた。
「別に遊んでるんじゃないよ。ただ、しんどい恋愛が続いたから、今はちょっといらないって言うか。だけどエッチは嫌いじゃないから、考えるって言ったんだ」
坂田ヒトシの純情に免じて正直に言うと、彼は少し顔を曇らせる。
見た目よりも、大人っぽい子なのかも知れない。
「……俺が変えてみせます。だから駄目ですか? 俺と、付き合って欲しいんです」
.
最初のコメントを投稿しよう!