10.陥落

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  待ち合わせた駅前の歩道に少し乗り上げて、白のワゴンが停まっていた。  さっきヒデオが言ってた通りの、白のワゴン。  あたしはゴクリと生唾を飲み込んで、一度止めた足をまた進める。  真っすぐに歩いて行くと、ワゴンの窓からヒデオが顔を覗かせた。 「よ。時間通り」  今日、ラブホの前で会ってしまった時、あたしは振り返らなかった。  だから、ヒデオの顔は見てなかったんだけど。  高校の時は少し長かったヒデオの髪は、短く切り揃えられていた。  それは中学の野球部の時程ではなかったけど、何も考えずに笑い合っていた頃のことが急に思い出される。  あたしがヒデオを男だって意識するよりずっと前から、彼はあたしを見つめていた。  その意味がようやく判って、あたしはまた足を止める。 .
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