6.変化

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  「サナ、会ってたの!?」 「うん。保健室にもよく遊びに来てるみたいでさ。マー兄とも仲いいし」  それを聞いて、あたしは盛大にため息をついた。  何が「サナさんはお元気ですか?」だ。  まったく、男ってのは侮れない。 「だから、マナミにカレシができたことも知ってるよ、彼」 「そっか……」 「教えたときちょっとヘコんでたって、マー兄言ってたけど」 「……」  今夜は両親も額田も留守だからと、カップラーメンで夕食を済ませたサナは、箸を置いてあたしを見た。 「急にマナミのこと抱きしめるとか、前の彼からはちょっと想像できないよね」 「サナも、そう思う?」  感慨深げに頷き、サナはティッシュで口の周りを拭う。  サナはそのままティッシュを丸め、部屋の隅にあるゴミ箱の中に向けて投げた。 .
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