6.変化

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  「達観なんてしてないよ。でも運命の悪戯とか皮肉については、マナミの方がよく知ってると思うんだけど」  茶化している様子のないサナに、思わず言葉が詰まった。  それは多分、リュータローのことを指してるわけで。  もちろん、ヒデオとのことも。  そう、一瞬前までは考えられなかったことを、あたしは何度か経験してる。  肝心なことが頭から抜け落ちてただなんて、色ボケしすぎだろう。  言い返せなくなったあたしを見ながら、サナはため息をついた。 「あたしが言いたいのはね」  サナは足を投げ出してその場に座り、天井を仰ぐ。 「ヒトシくんに抱きしめられて、少なからず動揺したわけでしょ。あたしに話さずにいられない程度には」 「……うん」 「今夜も、ヒデオくんいないんでしょ? 今日はそこんとこにマナミ自身のどっかに隙があって、ヒトシくんに衝かれたかたちになったけど。マナミ自身の問題だよ」 .
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