4.羞恥

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  「昨夜の喧嘩の原因、削除したから。見て」  受け取りながら、ヒデオは眉根を寄せる。 「何で俺が確認しなきゃなんないの?」 「あたしが、そうして欲しいんだもん」 「消したら消したでいいじゃん。何でわざわざ蒸し返すんだよ」  携帯をサイドテーブルにそっと置くと、ヒデオは一気にビールをあおった。 「お前、ちっとも判ってない」  苦笑したヒデオは、まだ雫の滴る髪を後ろに流すと、ベッドに腰を下ろす。 「大人げない嫉妬だ、って怒られるの覚悟だった。けどお前、謝るし」 「だって、それは……」 「判ってる。お前の謝罪は『怒らせるようなことしてごめんなさい』だろ。判ってんだよ、俺だって」  コクンと頷くと、ヒデオは少し疲れた瞳をあたしに向けた。 「判ってても、『そいつとまだ何かあるからごめんなさい』に聞こえるんだよ。男の耳には」 .
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