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「そんなこと……」
「聞き流せるほど、俺まだ大人じゃない」
ヒデオは一瞬、切ない目をした。
それにドキンとして、何か言おうとしてた筈なのに、黙り込んでしまう。
ヒデオはフローリングに座るあたしの手を引き、身体ごと自分の足の間まで導いた。
シャワーを浴びたばかりの、しっとりとした肌のにおいがして、あたしはヒデオを見上げる。
「油断したら、マナミをめちゃくちゃに壊したい衝動に飲み込まれる。それが時々、自分でも怖い」
真っすぐに見下ろすヒデオの瞳は穏やかで。
ヒデオはあたしの唇を、軽く親指でなぞった。
「この唇も」
続けて、髪を指で梳いてくれる。
「髪も……」
腹筋のあたりから、駆け上がるように胸をなぞられて、ヒデオの指先は頂点の蕾を軽く弾いた。
「……あっ!」
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