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陽が傾き、あたしは駆け足でヒデオのマンションに向かっていた。
リュータローと別れてから、しばらく児童公園のブランコに乗って考え込んでいたんだけど。
考えていたら、ヒデオに会いたい気持ちで胸がいっぱいになって。
ヒデオからの連絡なんて、待ってられない。
むしろ彼の部屋で、彼の帰りを待ちたいくらいで。
合鍵、っていう唯一のパスは、こんなときこそ使わなくちゃ。
そんなことを考えたら、いてもたってもいられなくなったんだ。
昔の、衝動に流されるまま醒めきっていたあたしは、一体どこへ行ってしまったんだろう。
下手したら、恋って人間から判断力を奪うものとさえ思ってたのに。
溺れてみなきゃ判んないことが多過ぎる。
リュータローと最初に付き合ってた頃なんて、男と逢う為に走るだなんて、考えられなかったもんね。
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