7.奈落

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  陽が傾き、あたしは駆け足でヒデオのマンションに向かっていた。  リュータローと別れてから、しばらく児童公園のブランコに乗って考え込んでいたんだけど。  考えていたら、ヒデオに会いたい気持ちで胸がいっぱいになって。  ヒデオからの連絡なんて、待ってられない。  むしろ彼の部屋で、彼の帰りを待ちたいくらいで。  合鍵、っていう唯一のパスは、こんなときこそ使わなくちゃ。  そんなことを考えたら、いてもたってもいられなくなったんだ。  昔の、衝動に流されるまま醒めきっていたあたしは、一体どこへ行ってしまったんだろう。  下手したら、恋って人間から判断力を奪うものとさえ思ってたのに。  溺れてみなきゃ判んないことが多過ぎる。  リュータローと最初に付き合ってた頃なんて、男と逢う為に走るだなんて、考えられなかったもんね。 .
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