17.遊戯

21/21
前へ
/35ページ
次へ
   ヒデオはそれを見て、チッと舌打ちをする。 「……あっ!」  ヒデオが強く腰を進めてきて、身体ごと押し上げられた。  痛みが走るとともに、意識が引き裂かれそうなほどの気持ちよさが頭まで突き抜ける。  快感とか、そういう言い方とはまた違った。  気持ちよくて、幸せで、痛くて、泣きたくて。  何て言ったらいいか判らないくらい、気持ちいい。 「……偶然俺のこと悦くしたからって、いい気になるなよ。マナミ」 「……そ、んなっ」 「おまえはただ、俺の下で啼いてろ」  ギュッと更にきつく首を締め上げられて、涙がポロポロとこぼれた。 「いいな、その顔。すげぇ興奮する……」 「……バカ……へ、んたいっ」  ヒデオは苦い笑いを漏らすと、首から手を離してあたしに覆い被さる。 「仕方ねえだろ……おまえ見てたら、  泣かしたくなんだから……」  ヒデオは意地悪そうにそうささやくと、何か大事なものを扱うかのように、頭を撫でてくれた。  ヒデオに抱きすくめられてしまって動けないあたしが、いいように穿たれながら必死にしがみついた彼の背に爪痕を残し、夢中で「愛してる」って泣いて繰り返してしまったことは、どうか夢でありますように。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加