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ヒデオはそれを見て、チッと舌打ちをする。
「……あっ!」
ヒデオが強く腰を進めてきて、身体ごと押し上げられた。
痛みが走るとともに、意識が引き裂かれそうなほどの気持ちよさが頭まで突き抜ける。
快感とか、そういう言い方とはまた違った。
気持ちよくて、幸せで、痛くて、泣きたくて。
何て言ったらいいか判らないくらい、気持ちいい。
「……偶然俺のこと悦くしたからって、いい気になるなよ。マナミ」
「……そ、んなっ」
「おまえはただ、俺の下で啼いてろ」
ギュッと更にきつく首を締め上げられて、涙がポロポロとこぼれた。
「いいな、その顔。すげぇ興奮する……」
「……バカ……へ、んたいっ」
ヒデオは苦い笑いを漏らすと、首から手を離してあたしに覆い被さる。
「仕方ねえだろ……おまえ見てたら、
泣かしたくなんだから……」
ヒデオは意地悪そうにそうささやくと、何か大事なものを扱うかのように、頭を撫でてくれた。
ヒデオに抱きすくめられてしまって動けないあたしが、いいように穿たれながら必死にしがみついた彼の背に爪痕を残し、夢中で「愛してる」って泣いて繰り返してしまったことは、どうか夢でありますように。
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