18.贖罪

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   やっぱりあたしのこと怒ってるんだ、そう思ったとき、ヒデオは口を開いた。 『女に何かあったら、  助けるのは男の役目なんだよ。  だから、翠川は気にすんな』  一気にそう言い切って、ヒデオはぷいっと顔をそらしてしまう。  キョトンと見上げるあたしの荷物を傷めてるはずの手で抱えて、ヒデオはあたしに背を向けて歩き出した。 『ま、待ってよ、自分で持つよ』 『うるさい。黙って頼れ』  頬を汚していた涙を拭い、あたしはあわててヒデオのあとを追う。 『頼れって、ヒデオ怪我してるのに』 『おまえ、しつこいよ。平気だって言ってんだろ』 『平気じゃないでしょ!?』  食い下がるあたしの前で、ヒデオはいきなり立ち止まった。  小走りで追っていたあたしは、勢いよくその背にぶつかってしまった。  けど、びくともしない広い背に、小さく驚いたのを覚えている。 .
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