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もうヒデオとこじれるのはこりごりで、だったらヒトシくんと会ったりするのはもっての他、なんだけど。
あたしにもそれくらい、判ってるけど。
だったら何で会ってるかって。
こんなこと誰にも──マドカにもサナにも言えないけど、ヒトシくんはある意味あたしの安定剤みたいなものだ。
大好きで大好きで、嫌になるくらい好きな相手──ヒデオがあたしにはいる。
彼になら何をされてもいいし、彼の望むことなら何でもしてあげたい。
それは、嘘じゃない。
神様がほんとにいるんなら、誓ったっていい。
だけど、こズルイあたしのこの感覚、判るだろうか?
保険になんてするつもりはないけれど、ヒデオの他にも好きだと言ってくれる男がいること。
それが、たまらなく心地いいんだってこと。
もちろんヒデオには言ってないし、言えないんだけど。
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