4.憂鬱

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  「マナミんちの親、揉めてるんだとさ」 「ちょっと額田」 「揉めてる? 離婚するかも、ってことですか?」  ヒトシくんがキョトンとした顔であたしを見る。  あたしは声を発することなく頷いて、窓の外を見た。 「ほっといた方がいいのか、話くらい聞いてあげた方がいいのか、額田に訊いてみたの」 「そうですか、それはちょっと心配になりますね」 「なんで?」 「だってマナミさん、すぐに情緒不安定になるから……」  クッ、と喉を鳴らして額田が笑う。 「何だお前。元彼にまで心配させてるぞ」 「あんたが余計なこと言うから……」  ムッとして額田に文句を言ってやろうとしたら、静かな保健室に能天気な着うたが流れ出した。 .
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