6.落涙

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   トゥルルルル……  流れてきた呼び出し音に、あたしはがっくりと頭を垂れた。 「ドライブモードじゃなくなってる。携帯を触れない状況じゃなかったってことか……」 「まあまあ……」  宥めるジンを、じっと見る。  ジンの真っ黒の瞳はあたしを見て、それから「は?」と眉をひそめた。 「ねえ、水沢エリのこと、知ってる感じだったよね。何で知ってるの?」 「ああ、それ……」  するとジンは少し思案してから、このご時世ガードレールに灰皿がぶら下がってるのを確認し、そこに腰かける。  ジンはそのまま煙草を取り出して、火を点けた。 .
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