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トゥルルルル……
流れてきた呼び出し音に、あたしはがっくりと頭を垂れた。
「ドライブモードじゃなくなってる。携帯を触れない状況じゃなかったってことか……」
「まあまあ……」
宥めるジンを、じっと見る。
ジンの真っ黒の瞳はあたしを見て、それから「は?」と眉をひそめた。
「ねえ、水沢エリのこと、知ってる感じだったよね。何で知ってるの?」
「ああ、それ……」
するとジンは少し思案してから、このご時世ガードレールに灰皿がぶら下がってるのを確認し、そこに腰かける。
ジンはそのまま煙草を取り出して、火を点けた。
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