6.落涙

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  「昨夜のことも、それも含めて、エイユウと話した方がいいよ」 「けど、ジンは知ってるんでしょ?」 「それは、俺がたまたま知ることのできる立場にいたからだし。未だにマナの知らないことがあるっていうのは、エイユウがそういう判断をしたからってことだろ。いくら俺がおせっかいでも、言っていいことと悪いことの区別くらい、つくからね」  ジンの瞳が、真っすぐあたしに向けられた。  その瞳が、どれだけあたしが食い下がっても話すつもりはない、と言っている。  悔し紛れに、俯きながらぼやいた。 「……何かあるってことだけちらつかせるだけちらつかせて、肝心なことは話さないのって、ずるくない?」 「何も知らずに聞くのと、何かあるって判って聞くのとは違う、そう思っただけだよ」  そういうのが優しさだとは別に思ってないけど、とジンは付け加える。  消化不良の気持ちを抱えたまま、あたしとジンは並んで歩いた。 .
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