6.落涙

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   水沢エリが息を飲んだのが判った。  けれど、彼女もめげずに切り返してくる。 『あたし昨夜、ヒデオと一緒にいたの。  それを教えようと思って……  突然で、悪いんだけど』  眼球に、もしオンオフを切り替えられるスイッチがあるとしたら。  その一言は、それを勢いよく切れるものだと、そう思った。  だって、ホラ──それだけで、あたしはその場に立っていることさえ、出来なくなってしまったんだから。  彼女の言ったことが本当かどうかはあんまり関係なくて、この状況だけで、あたしは壊れてしまいそうだった。 .
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