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水沢エリが息を飲んだのが判った。
けれど、彼女もめげずに切り返してくる。
『あたし昨夜、ヒデオと一緒にいたの。
それを教えようと思って……
突然で、悪いんだけど』
眼球に、もしオンオフを切り替えられるスイッチがあるとしたら。
その一言は、それを勢いよく切れるものだと、そう思った。
だって、ホラ──それだけで、あたしはその場に立っていることさえ、出来なくなってしまったんだから。
彼女の言ったことが本当かどうかはあんまり関係なくて、この状況だけで、あたしは壊れてしまいそうだった。
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