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だって、水沢エリはヒデオの初めての女で──。
それだって自分が悪いってことくらい、もう何万回確認したか、判らないけど。
最近ようやく忘れられそうだったのに、この状況は何だろう。
今年ヒデオとよりを戻した時、あたしは偉そうに「自分のものだと思えるまで、何回でも抱けばいいじゃない」なんてヒデオに言ったけど。
実はそれは逆で、あたしがそうしてもらいたかっただけだ。
ヒデオが間違いなくあたしのものだと判るまで抱いて欲しくて、そう言った。
ヒデオがそれをすっかり見透かしていたかどうかは、判らないけど。
何てこった、何度そうしたってヒデオにはもう水沢エリが用意されていたんじゃないか。
文字通りあたし達がしていたのは、戯れの何も生まない交尾、ってわけで。
自分で思ってから、「交尾」っていう言葉の響きに笑いが込み上げた。
さっきシャワーを浴びながらしこたま泣いたせいで、もう涙はしばらく出そうにない。
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