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夕方になって、お母さんが帰ってくる気配がした。
靴であたしが帰って来ていることは判る筈だけど、部屋まで来ることはなさそうだった。
あたしがいいかげん両親のもめごとにうんざりしていることは、お母さんだけでなくお父さんも判っている筈だ。
時間的に、もうそろそろヒデオがあたしに電話でもしてきそうだけど、携帯の電源を落としてるから、判らない。
全部が鬱陶しい。
嫌なことがあった時、友達や彼氏に真っ先に報告してしまうような性格じゃない。
いつもこうだ。
携帯の電源を落として、ひとりの殻に閉じこもる。
それを不自然に感じることはないけど、結局あたしは自分が一番可愛いんだろうか。
……肯定したくはないけど、否定もできない。
リュータローやヒトシくんだけじゃない、本命のカレシであるヒデオですら、あたしは便利に使える。
あたしというのは、そういう女だ。
そして口には出さなくても、周りもあたしをそういう女だと思ってるんだと思う。
そう思うと、急に全部馬鹿馬鹿しくなってきた。
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