7.滑落

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  夕方になって、お母さんが帰ってくる気配がした。  靴であたしが帰って来ていることは判る筈だけど、部屋まで来ることはなさそうだった。  あたしがいいかげん両親のもめごとにうんざりしていることは、お母さんだけでなくお父さんも判っている筈だ。  時間的に、もうそろそろヒデオがあたしに電話でもしてきそうだけど、携帯の電源を落としてるから、判らない。  全部が鬱陶しい。  嫌なことがあった時、友達や彼氏に真っ先に報告してしまうような性格じゃない。  いつもこうだ。  携帯の電源を落として、ひとりの殻に閉じこもる。  それを不自然に感じることはないけど、結局あたしは自分が一番可愛いんだろうか。  ……肯定したくはないけど、否定もできない。  リュータローやヒトシくんだけじゃない、本命のカレシであるヒデオですら、あたしは便利に使える。  あたしというのは、そういう女だ。  そして口には出さなくても、周りもあたしをそういう女だと思ってるんだと思う。  そう思うと、急に全部馬鹿馬鹿しくなってきた。 .
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