7.滑落

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   部屋の時計を見ると、まだ5時。  こんな時間に自分の部屋にいても、何もすることがない。  趣味のひとつも持たない自分が、急に空っぽに思えた。  あ、そっか。  空っぽだから、男に身体を埋めて貰わなきゃ気が済まないんだ。  女として、とんだ底辺。  その現実に軽く失望して、そして。  あたしはぼんやりと何かを考えながらもう一度着替えて、お母さんに声をかけられる前に家を出た。 .
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