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ああ、恥ずかしい……。
吐きながらついでにぼろぼろ泣き出したあたしの目元を、西門さんは「はいはい」と笑いながら柔らかいハンカチで拭ってくれる。
かっこいいスーツをばっちり着こなしているような人だから、ハンカチなんかはシルクなんじゃないかって思ったけど、意外にも普通のコットンのハンカチだった。
何というか、そんなとこまでかっこいいと思ってしまった。
それどころじゃないけどさ。
「大丈夫? 服、汚れなかった?」
はっと気付くと、西門さんは背中を撫でてくれながら、あたしの長い髪をちゃんとひとまとめにして握ってくれている。
その仕草に、こういう状況に慣れているんだなぁ……なんて思いながら、洗面台で口を濯いだ。
昨夜からかきっぱなしの恥は、この際しばらく忘れることにしよう。
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