7.滑落

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  「そんなにムキにならなくても」 「どっちだっていいです! あたしの話、聞いてくれるんでしょう?」 「そのつもりだけどね、でも」  逆に手を取られて、西門さんはあたしに顔を寄せて来た。  さすがに、それはわざとなのだと判ったけど。 「でも、話をするの、  俺でいいの?  昨夜の男友達とか、他にも女友達とか──  いないわけでもないだろうに」  言われて、あたしはみんなの顔を思い浮かべた。  サナや額田は、きっとあたしをこき下ろすだけだし。  ためになる話をあの2人はいつもしてくれるけど、正しいからこそ頷けないこともある。  ヒトシくんだと、またおかしなことになってしまいそうだし。  何度も寝たことがある間柄なだけに、彼に触れられたら今度こそ逆らえない。  ジンやマドカは、ヒデオとあたしを知り過ぎだし。  聞き上手な彼らに、これ以上さらけ出してしまうのは無様な気がする。  親しいからこそ、言いたくないこともある。 .
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