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自分達の意思じゃなくても動いて行くことというのは、この世の中には確かにあって。
これを避けたかったなら、あたしも西門さんももう少し早くソファーから立ち上がるべきだったな、なんて思った。
けど、こういうことはこうなるまで気付けないように出来てるんだろうな、きっと。
西門さんは音もなく立ち上がると、あたしの隣にやってきて、腰を下ろした。
用意されたその肩に、あたしはゆっくりとしなだれかかる。
アルコールなんて、さっき全部吐いてしまって、もう残ってない。
酔ってるなら、さっきからの会話でできたこの部屋の空気。
落ちて来た口唇に、あたしは逆らわなかった。
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