6.落涙

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  「まだちょっと辛そうかな。時間、大丈夫そうならもう少し横になってるといい」 「時間……」 「11時過ぎてるよ、マナ」 「……あー……今日はもう、いいです。大丈夫……」  あたしとジンのやりとりで何となく判ったのか、男の人はクスクスと笑う。 「そんな飲み方が出来るのは学生のうちだからだな。ま、失敗しながら自分の限界を覚えてくのも大事だよ」  そう言って、男の人は台所の方へ姿を消してしまう。  すいませーん、と悪びれない態度でそれを見送ったジンが、思い出した、というようにあたしを振り返った。 「そうそう、今の人の名前。  西門さん。  西門広樹(ニシカド ヒロキ)さん!」 .
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