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差し出されたヒデオの手に触れると、彼はそのままグイッとあたしを引き寄せて、腕に掴まされる。
言葉のわりに実際の行動が優しいとか、ほんとツボなんだけどな……。
ヒデオはあたしが足を引っかけないように気を付けてくれながら階段を登り切ると、すぐに部屋を見つけて、ドアを開けた。
部屋に入り、ヒデオから離れて電気を点けようとすると、ドアを閉めた彼に抱き寄せられた。正面から。
「……えっと、あの……」
下に、お父さんとお母さんがいる。
咄嗟にそのことが頭に浮かんで、この状況を誰に見られてるわけでもないのに慌ててしまう。
「……さっきから俺のと違う煙草の匂いがする。お前、ホントは誰と居たの」
慌ててるところにいきなり投げかけられて、ギクリ、と身体がこわばった。
大きな溜め息をついて、ヒデオはあたしを抱きしめる腕に力を込める。
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