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「……昨夜、ヒデオと連絡つかなかったから」
「仕事先の人間と飲んでるって言っただろ」
「でも、ジンはヒデオはあたしといる筈じゃなかったのかって、そう言ったよ」
ギクリ、と。
今度はヒデオの身体が硬直するのが判った。
抱きしめる腕の力が弱くなったヒデオ。
今度はあたしが彼の腰を強く引き寄せる。
「……嘘ついたヒデオに怒ってたら、昨夜ジンが飲みに連れてってくれたの。今日はひとりでフラフラ出かけたけど」
ヒデオの困惑が伝わって来た。
「ジンは何も言わなかった?」
「……何かあるようなそぶりはあったけど」
「ジンのこと、怒んないでね。何でヒデオといないの、ってポロッと言っただけだから」
顎を掴まれて上を向かされる。
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