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「女の子に色々されるのはあまり好きじゃないんだ」と言って、西門さんはあたしの両手首をひとまとめにすると、そのままもう片方の手であたしの身体をまさぐり始める。
こんなふうに、ねじ伏せられるのは嫌いじゃない自分を呪いたい。
ヒデオはあたしに色々させるから、こうして任せっきりになることが新鮮だった。
「マナちゃん」
「は、い?」
「どうしようか。どこまで、いいの?」
戯れのようにそう訊いて来る西門さんの声が、どこか冷静だった。
ああ、あたしと違ってこの大人の男の人は、この状況の意味を判っている。
西門さんの言葉で少し引き戻されて、あたしは胸をあらわにされながら熱いままの頭で考えた。
ここまでの状況になっていて、未来の後悔の度合いなんて、たかが知れている。
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