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どんなに急いでても相変わらずラブホには目もくれないで、いつものようにヒデオはあたしを自分の部屋に招き入れた。
ドアを閉めるなりヒデオの少し汗の匂いのする身体がそばに来て、あたしは軽く眩暈を起こす。
息遣いを感じる前にあたしはもう口唇を少しだけ開いて、ヒデオの舌を待った。
期待通り噛み付くように落ちてきた熱い口唇が、あたしの意識を奪う。
一瞬口腔でヒデオの舌が暴れた。
けどそれは挨拶代わりみたいなもので、すぐにヒデオの口唇は離れてしまう。
あたしの一番好きな、ささやくような低い声が漏れる。
「……口開けてんなよ。鳥のヒナか」
嘲るような口調も、いつものまま。
あたしが口を尖らせると、ヒデオは「簡単な女」と呟いて、また口唇を押し付けてきた。
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