10.自嘲

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  どんなに急いでても相変わらずラブホには目もくれないで、いつものようにヒデオはあたしを自分の部屋に招き入れた。  ドアを閉めるなりヒデオの少し汗の匂いのする身体がそばに来て、あたしは軽く眩暈を起こす。  息遣いを感じる前にあたしはもう口唇を少しだけ開いて、ヒデオの舌を待った。  期待通り噛み付くように落ちてきた熱い口唇が、あたしの意識を奪う。  一瞬口腔でヒデオの舌が暴れた。  けどそれは挨拶代わりみたいなもので、すぐにヒデオの口唇は離れてしまう。  あたしの一番好きな、ささやくような低い声が漏れる。 「……口開けてんなよ。鳥のヒナか」  嘲るような口調も、いつものまま。  あたしが口を尖らせると、ヒデオは「簡単な女」と呟いて、また口唇を押し付けてきた。 .
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