13.狂想

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  明け方になって、何も言わないジンと一緒に始発に乗った。  少し前を歩くジンの背中を見ながら、不思議な感覚にとらわれる。  ほんの何時間か前、あたしはあの背に何度もしがみついていた。  汗だくになって、色んなものが混ざり合って、あたし達はひとつになっちゃったんだ、と錯覚しそうなほど、近くにいた。  それなのに今はもう、簡単に触れることすらできなさそうだ。  別にジンにベタベタ触りたいわけじゃない。  寝たからってあたしはジンのものになったわけじゃないし、ジンがあたしのものになったわけじゃないってことを、つくづく感じてしまっていた。  バカなことしたな……とは思うけど、後悔とはまた違う。  あたしが誰と寝ようがあたしはヒデオのものだし、ヒデオが誰と寝ようがヒデオもあたしのもの。  それは変わらないんだな、なんて思っただけだ。  だからこそヒトシくんは、身体の関係になんて頼ろうとせず、あたしのココロに揺さぶりをかけようとしていたっていうのに、実際やってみないと判らないものだな、なんて。  それはかなり愚かなことだと、自分を責めるでもなく、冷静にそう考えていた。 .
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