12.酔狂

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  「あたし、きれいになりたい。いつもあたしの胸の中、ドロドロしてる……」 「……残酷なこと言うけど、  そういう乱暴な感情とか  衝動っていうのは、  いくら大人になったって、  なくなったりはしない。  衝動が暴れる回数は減るかも  知れないけど。マナちゃんは、  自分の中のそいつとの付き合い方を、  覚えていくしかないんだよ」 「今すぐって、無理なの?」 「ものすごく若いうちから心の準備をしておかないと、難しいかもな」 「20歳にもなったオバサンじゃ、もう遅い?」 「……笑わせるな。そういうのは10代の子に言いなさい」  本気で肩を震わせて笑いながら、西門さんはあたしの頭を撫でた。  まるで、子どもにそうするみたいだ。 「……あたし、もうハタチなんですけど」 「あ、悪い。嫌だった? 姪っ子によくこうするから、つい……」 「……姪っ子さん、あたしと同じくらいだったよね」 「そう。あいつも、ハタチ。マナちゃんと一緒だよ」 「西門さんの姪っ子さんも、こうやって泣いたりするの?」 .
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