15.反転

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  「……で、マドカちゃんが、マナのこと心配してるみたいだ。怒った手前、連絡しにくいんだってさ。メールでも、してやんなよ」 「ホント……? あ、でもあたし、携帯新しくしちゃって、マドカの連絡先……」 「マジか。なら、教えるから、携帯出して」  携帯を取り出したジンの手元を、あたしは凝視した。  ジンは肩をすくめて、苦笑いする。 「何なら、エイユウのも」 「……いいよ」 「使うかどうかは、マナの自由でいいじゃん」 「前はあんなに連絡しろって言ってたくせに」  すると、ジンは「あー」と言いながら自分の額をぺち、と叩く。  その仕種がテレビの芸人さんみたいで、あたしは思わず吹き出した。 「昔は昔、今は今! いいだろ、それで」  ジンはあたしの手から携帯を取り上げると、何やら勝手に操作し始める。  ……ヒデオの携帯番号……。  それだけで、繋がってるわけでもないのにドキドキしてしまうあたしは、相変わらずどっかユルい気がする。  それを使うことは、たぶんないだろうけど。 .
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