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「……妬けるね」
ふたつの携帯を手に、ジンはうつむきながらふっとため息を漏らした。
「え?」
「エイユウのアドレスってだけで、今どんだけ嬉しそうにしたんだよ」
「そ、そんな……」
恥ずかしくなって、両手で顔を押さえたあたしを見、ジンはどうしようもなく困った顔をする。
「ほら、その無防備。最初はホントに心配してただけだったのに、俺までハマっちゃったんだから……いいかげん自覚して、マナ」
「……ごめん」
携帯を差し出しながら、ジンはキョロキョロとあたりを見回す。
携帯を受け取ろうとすると、ジンはその手を引っ込めた。
「……あっ」
差し出した手を強く引っ張られて、あたしはジンの腕の中にいた。
ドキンって、心臓が痛いほど跳ね上がる。
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