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ジンは肩をすくめると、缶の中に煙草を落とした。
そうして背もたれに身体を預けながら、大きくため息をつく。
「そういや、マナ。親達はどうなの?」
「え?」
「ほら、別れるかもって話」
ああ……と、あたしは俯いた。
「しばらく親同士が気まずいのが続いてて……今も、結論は出てない。前ほどギャーギャー騒がなくなったけど」
「そっか。落ち着くといいな」
「え?」
「え? ……だってマナ、親同士は仲がいい方がいいんだろ?」
「あたし、そんなこと言った?」
「いや、言ってはいないけど……」
少し困ったように肩をすくめて、ジンは笑った。
手元の缶をゆらゆら揺らしながら、彼は続ける。
「親がもめてる、って話しながらマナが嫌そうにしてたから、そう思っただけ」
「……普通にしてたつもりだったんだけどな」
「だから、マナの感情はけっこうダダ漏れなんだよ」
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