15.反転

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   ジンは肩をすくめると、缶の中に煙草を落とした。  そうして背もたれに身体を預けながら、大きくため息をつく。 「そういや、マナ。親達はどうなの?」 「え?」 「ほら、別れるかもって話」  ああ……と、あたしは俯いた。 「しばらく親同士が気まずいのが続いてて……今も、結論は出てない。前ほどギャーギャー騒がなくなったけど」 「そっか。落ち着くといいな」 「え?」 「え? ……だってマナ、親同士は仲がいい方がいいんだろ?」 「あたし、そんなこと言った?」 「いや、言ってはいないけど……」  少し困ったように肩をすくめて、ジンは笑った。  手元の缶をゆらゆら揺らしながら、彼は続ける。 「親がもめてる、って話しながらマナが嫌そうにしてたから、そう思っただけ」 「……普通にしてたつもりだったんだけどな」 「だから、マナの感情はけっこうダダ漏れなんだよ」 .
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