14.整頓

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   ヒトシくんの指の間にある煙草から、ゆらゆら煙が立ち上る。 「だけど、今の俺の失望に比べたら、何でもないと思う……」  あ。  何か、泣きそうだ。  あたしがぎゅっと口唇を噛みしめると、ヒトシくんは浅く煙を吸った。 「……あなたは結局誰でもいいのかなって、そう思った俺の気持ち、判る?」  まだ残っている煙草を灰皿に押し付けながら、ヒトシくんは平坦な声で続ける。 「ここ半年の  マナミさんとのやり取りはね。  あなたとだからしてきたことだし、  あなたとだからできたことだし、  楽しかったんだって、  俺はそう思ってる。  けど、マナミさんは違ったのかな」 「違……っ」 「何が違うの? 俺の言ったセリフを一言一句違えず言ってさえいれば、他の男でも喜んでたんじゃない?」  口唇を噛みしめたまま、ぶんぶんとかぶりを振った。 .
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