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「マナミ──
ひどく、しないから。力抜け」
充分、ひどいです……。
そう反論したがる思考回路がもうため息混じりで、自分でも説得力がないと思った。
言われなくても、すでにそんなところを探られているのに、下手に抗う方が怖いことくらい、本能的に判る。
前を責める指は、容赦がないから余計に。
ヒデオの指が、あたしの浅い呼吸に合わせて慎重にそこをくつろげていくのが判る。
ふと、気になった。
「ヒデオ……」
「ん?」
「こういうこと、したこと、あるの……」
「バーカ」
軽く罵られても、頭がもう回らない。
不思議な感覚と、慣れた快楽を交互に味わうより他、あたしに選択肢がないんだもの。
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