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「マナミ……動くなよ」
ひっ、と声が漏れる。
突然、指を引き抜かれたからだった。
「や、やだ、やめて……お願い……」
さらに腰を引き寄せられて、動けないあたしはわけもわからず泣き出した。
ヒデオに逆らえないこの状況は、嬉しい。
だけど、罵られたらやっぱり心は疼くし、そんなことをされるのは怖い。
どちらの感情に自分を投じたらいいか判らなくて、あたしは力なくかぶりを振る。
だけどヒデオはささやかな否定などあっさり無視して、あたしの中に性急に打ち付けてきた。
ただしそれは後ろではなくて、すっかり慣れた女の部分に。
ほっとしたのもつかの間で、ずくんと突き上げられる快感に、痛みが伴って声が漏れた。
ひどくしないで、とお願いしたのに。
「お前、今偉そうなこと言ったよな。もういっぺん、言ってみろ」
「い……や、いやあ……っ!」
「優しくして欲しいんだろ? だったら、俺のこと、宥めろよ」
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