18.融解

16/19
前へ
/38ページ
次へ
   ずくん、とまた奥まで突かれるのかと思ったら、ヒデオはゆるゆるとあたしを翻弄する。  あたしから理性を奪いきらないそれがまた、じれったい。 「宥めろ、って言われたって……」 「……しょうがねー女。まあ、今考えろったって、無理だよな……」  哀れむような声だった。 「俺はお前のこと、色々責めるけど……その分、俺自身にも返ってくるって、知ってる?」 「……え?」  ごく浅くまで引き抜かれて、呼吸が楽になる。  あたしはもう一度ヒデオを振り返った。 「相手の初めてを取り返したくてたまらない、なんて」  もう一度腰を引き寄せられて、体勢を直された。  全てが丸見えなその体勢で、あたしはまた羞恥に慌てる。  けど、それを見越してか、ヒデオはあたしの中で軽く揺すった。 「……あっ」 「そんなの、俺の方が1万倍思ってるよ。  女には判んねーだろうけど……  男と女の初めてとか、  そのものの価値が、違いすぎなんだよ」 「そ、んな……」 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

213人が本棚に入れています
本棚に追加