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ずくん、とまた奥まで突かれるのかと思ったら、ヒデオはゆるゆるとあたしを翻弄する。
あたしから理性を奪いきらないそれがまた、じれったい。
「宥めろ、って言われたって……」
「……しょうがねー女。まあ、今考えろったって、無理だよな……」
哀れむような声だった。
「俺はお前のこと、色々責めるけど……その分、俺自身にも返ってくるって、知ってる?」
「……え?」
ごく浅くまで引き抜かれて、呼吸が楽になる。
あたしはもう一度ヒデオを振り返った。
「相手の初めてを取り返したくてたまらない、なんて」
もう一度腰を引き寄せられて、体勢を直された。
全てが丸見えなその体勢で、あたしはまた羞恥に慌てる。
けど、それを見越してか、ヒデオはあたしの中で軽く揺すった。
「……あっ」
「そんなの、俺の方が1万倍思ってるよ。
女には判んねーだろうけど……
男と女の初めてとか、
そのものの価値が、違いすぎなんだよ」
「そ、んな……」
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