19.溺愛

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   ちゃんと確認することを怖がって泣き出したあたしを、ヒデオは無理やり病院に引っ張っていった。  不思議なことに、かなり色々なことをされたのにもかかわらず、どこもそんなに痛みが残ってなくて、ヒデオの『ひどくしない』が本当なんだったと変な実感をさせられた。  病院の駐車場に車を停めながら、ヒデオは大きくため息をついた。  泣いたあとの目の腫れが治まったのを確認して、あたしは首を傾げる。 「……どうしたの」 「いや……できてたらお前の親に、なんて言おうかと思って」  すると、億劫そうにまた、ため息をついた。 「……いいよ、あたし、自分で言うから」 「そんなわけにいくか。バカか、お前は」 「だって……」 「お前ね、ガキみたいなこと言ってんなよ。マトモな挨拶もちゃんとしてねーんだぞ。ただでさえ分が悪いのに……」  ヒデオがブツブツとぼやいている。  あたしはその意味があんまりよく判らなくて、首を傾げた。 .
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