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あ、と声を漏らしてしまった。
ヒデオはあたしの太ももを持ち上げて、そのまま押し倒してくる。
「ヒデオ……」
「んー?」
「機嫌、悪く……ない、よね?」
「さて、どうかな」
「ねえ」
「一応、楽しんでるつもりだけど。お前は、違うの?」
いや……。
手放しで喜んで同意したいところだけど、ちょっと怖い気がするのは気のせいかな、なんて。
すると、覆いかぶさられて、もう一度口唇を塞がれる。
太ももを持ち上げていたヒデオの手はするりと上に滑ってきて、あたしの服を脱がせ始めた。
ヒデオが少し動いて、彼の息が耳にかかる。
ああ、もう。
このひと以外、本気でいらない。
誰にも信じてもらえなくたって別にいいけど、今までの人生の中で、一番そう思った。
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