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「……や、ヒデオ、何……」
直前で中断されたもどかしさに、ヒデオを見上げる。
彼は自分のワイシャツをはだけさせると、晒されたままのあたしの胸に口唇を寄せた。
「やあ……っ」
中への長く強い愛撫のあと、胸を吸われるだけ、っていうのはひどくもどかしい。
よけいひどいことをされているような気持ちになった。
これでは足りないと、そんな恥ずかしいことを口走ってしまいそうになった、その瞬間。
「……俺、ずっと考えてたんだけどさ……」
大好きなその低い声はすっかり濡れて、余裕がなかった。
彼も好きこのんで焦らしたわけではないことは判ったけど、どくどくと脈打つ身体は早く続けて、と啼き喚いている。
肩で息をしながらヒデオを見ると、彼はベッドの下から携帯くらいの大きさのチューブを取り出した。
何かと思えば、ジェルだ。
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