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それに反応したのは、青柳だ。
「ああ、そうそう。昔の連れとかにも教えようかなって思ってるんだけど、構わないか?」
「昔の?」
ヒデオが顔を上げる。
あたし達以上に浮かれている様子の青柳は、ニッと笑った。
「ホラ、内藤とか、マコトとか」
懐かしい名前が出てきて、あたしはハッと目を見開いた。
内藤くんは、中学のときヒデオや青柳とよくつるんでた男の子だ。
マコトは、同じく中学のとき、あたしやマドカと仲良くしていた女の子。
青柳の言葉を受けて、彼の隣のマドカはふふっと笑った。
「ごめん、マコトにはもう言っちゃった」
「ええ、何だそれ」
「今や、ダイスケよりあたしの方がマコトと仲良しなんだもーん。マコト、めちゃくちゃテンション上がってた」
楽しそうにマドカが笑うと、青柳は苦笑する。
マコトと青柳は、幼なじみなんだそうだ。
マドカがそれを気にして悩んでいたから、この2人は一度別れたんだけど、でも結局元の鞘に収まった。
だからマドカが普通にマコトのことを話すのは、あたしにとっても嬉しくなることだった。
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