第④話:ご機嫌よう、また会う日まで

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「あぁ・・・」 「あの姿はあんたが元かよ、なあ転輪聖王」 同じくロイヤルミルクティーを飲んでいた、 聖仙占部真奈美と毒島杏子に、 馴れ馴れしいタメ口を聞かれているのを見て、 転輪聖王が最高神の様な封建的絶対者でない事に驚きつつ、 天照大神は問い質す。 「答えよ!そなたらは地球人なのか?正直に話すのじゃ」 美しく気高き天照大神、 その姿に転輪聖王は懐かしい気分になった。 かつては地球人の早乙女望都だった自分の前に現れた姿だ。 転輪聖王となり、 全ての魂を癒し救う力の兆候だった霊能力を使いこなせず、 単に怯え逃げまどい、 自殺しようとさえ思った弱く愚かでちっぽけな自分。 そんな自分を姉の様に優しく母の様に包み混んでくれた彼女。 だが霊的進化し転輪聖王となった今では、 力強くクトゥルーから守ってくれた、 対邪神殲滅華撃型龍神聖形態ゴッドラゴンに近い、 一見恐ろしげだがありのままの爬虫類の姿の方が、 たまらなく愛おしく可愛いらしく思えていた。 「おほほほほ! よくぞ私たちの正体を見破ってくれましたわね。 これから私たち聖仙が創った、 この原始宇宙や神代星や貴女達が創った多元宇宙は、 貴女達が引き起こすスーパー神話大戦、 通称ラグナロクで残らず滅びますわ。 それからが貴女達神々の時代が始まる。 アセンションする前の幼い私たち人類を、 どうかお守り下さいまし」 「待って!貴女達は元の憎しみ合う辛い人間生活に戻るんでしょ!? 辛くないの?嫌じゃないの?」
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