第⑤話:新たなる超越者

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聖仙自ら地球人と認めて消滅した事件を機に、 各多元宇宙神話国家もアカシックレコードを真似て、 霊的因果律コンピューターを開発した。 しかしエデン多元宇宙のセフィロトの樹を除き、 ヒンドゥー多元宇宙のヴェーダ、 道教多元宇宙の開明獣、 ギリシャ多元宇宙の金枝篇、 ユグドラシル多元宇宙のミーミルの首、 アザトホース多元宇宙のナコト写本、 エジプト多元宇宙のプタハの舌、 高天原多元宇宙の久延毘古(クエビコ) メソポタミア多元宇宙の天命の書板も同じ結果であった為、 各多元宇宙の最高神が集まり、 神代連合緊急会議を開く事にした。 あらゆる神仏の多元宇宙の中央に位置する、 交差時点(クロスホエン)と呼ばれる空間に、 黄金の卵を模して創られた白銀の卵と呼ばれる建築物にである。 これはあらゆる創造や工芸の神々に創らせた物で、 大きさや輝きや強度で黄金の卵には及ばない物の、 神仏が今まで創造した物の中では、 最高傑作とも言える建築物でもあった。 楕円形の外装の中に真円形の議会席が有り、 真ん中で浮く発言席を、 全方向から取り囲む様に議席が並び、 最高神及びその伴神達は着席していた。 「おいゼウスが居ないぞ?」 「あいつが神代連合議会に皆を集めたのに・・・・・」 すると宙に浮く発言席に、 ゼウスの娘にして戦女神のアテナが立った。 「え~と父上は恥ずかしながら今ナンパ中で・・・・・」 「何やってんだぁあぁあぁあ!」 「馬鹿あぁあぁ!」 「下半身の神!」 「ビッグダディ!」 わざわざ呼んでおきながらナンパで不在と聞き、 怒り狂った最高神達は、 コップや書類の束やペンなどをアテナに投げ付けた。
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