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第①話:神々のファミレス
思えば時・時間ほど、
恐ろしい確実な破壊者は無い。
生まれ出たもの生命あるものは、
刃や弾丸あるいは事故を逃れたとしても、
時によって必ず滅ぼされ、
死んでゆかなければならない。
この意味で時・時間は物言わぬ破壊者、
死の神だと言っても過言ではない。
しかし反面、
時は新しい生命を生み、
はぐくみ育てる恵みの神でもある。
春に萌え出た一本の草花は、
夏には生い茂り秋にはしおれ、
そして冬には死を迎えなければならないが、
その死は新しい生命の誕生を約束し芽吹きを準備するための、
いわば自然の自己犠牲である。
ヒンドゥー教~インドの聖と俗(森本達雄著)
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