スコールや 疾き雷が 恋女房 (字余)

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<季題> スコール、雷を併せても好い <季節> 雨期(夏期)、夏期というよりはむしろ熱帯域の雨期 スコール: 単に「豪雨」・「雷雨」というよりはむしろ、短い時間帯に集中して「バケツをひっくり返したように」降る、熱帯域特有の雨。 古き佳き日本の「夕立」とは異なるもの。 疾き: 迅速な様。ただしこの句では、留まるのがほんの一時でも振るわれる「力」は絶大である様を含意するものとする。 雷: いかづち。「かみなり」の読みも可能だが、「いかづち」の方が趣深かろう。 この句では夏を中心に豪雨・雷雨の降る時期のものに特に限定。 が: 属格を表す連体格助詞。「の」に置き換えて読解すべし。 また、主格を表すとの解釈も可能。 恋・女房: これら二語の解釈が、雨と雷の、主従・陰陽また協働関係を決定する。ただし、主役格はあくまでスコール。 字余: にょうぼう、の最終音は長母音なので、音韻的には違和感が弱かろうが、厳密には字余。
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