風立ちぬ 枯葉の祝詞 万霊節 (字余)

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<季題> 万霊節 <季節> 十一月初頭、特に朔から七日まで 風: この句では木枯らし。 立つ: 風が立つ、との表現は一般に、さほど弱くはない風が突如吹く様を指す(そしてその解釈も当然妥当する)が、ここではむしろ優しく吹くそよ風を想起すべし、冷たいながらも。 枯葉: 死の象徴。ただし、落葉樹の生の営みの一環としてその体の一部が死を迎えている点、並びに落葉は土に環り新たな生を生じさせていく点に、留意。 祝詞: 枯葉の唱える葉ずれ等々の声。弔辞ではなく、また況してや断末魔でもなく、あくまでも祝詞(のりと、即ちほぎことば)。言祝ぎとしての、枯葉の言の葉(ことのは)。 万霊節: キリスト教における一礼拝節。日本仏教の盂蘭盆会や彼岸会に相当し、全ての死者を追悼する。宗派によって呼称は異なるが、一般に「死者の日」や「永眠者祈念礼拝」として、11月第一日曜に礼拝式が営まれる。
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