ガリラヤよ 喜び告げよ 御子来たりけり (字余、乃至異形式)

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<季題> 御子来たりけり <季節> 12月25日以降数日、乃至数週間(ただし、原則的に日中) ガリラヤ: イエスの出身地(また在住地とも思われる)ナザレを擁した、現在のイスラエル北端の地域。加うるに、イエスが最初の奇跡を示した地、かつ復活のイエスが最初に来訪した地。 喜び告げよ: 「喜びを告げよ」の意と「喜べ、かつ告げよ」の意を併せ含む。 御子: ナザレ村出身大工ヨセフの子イエスかつ、キリストたるイエス。 来たり: 「来て+在り(あり)」の終止形音便。「来(く)」の強意。 狭義には『降誕』であり、俳句の体を為す。 広義にはイエスのガリラヤ来訪全てを指し季題が消失、片歌となる。 けり: 過去完了ではなく間接過去の助動詞。即ち詠嘆を示し、「来たり」を更に強意することで「喜び」の並々ならぬ様を表す。 片歌(旋頭歌): 旋頭歌の問歌もしくは答歌。 当句を答歌と見做すならば、前作下句を「神の御業ぞ」として第三句とすべし。厳密な問答形式ではないが、第三句と第六句が呼応する。 当句を問歌と見做すならば、後作下句の末尾に詠嘆の終助詞「よ」を付加して第六句とすべし。上に同じく問答形式ならぬも、第二句と第五句が呼応する。
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