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彼女の手に握られているのは、
マフラーと同じ色の毛糸の手袋。
「また、私とお揃いなんだけど、
いいかな?」
真っ白な透き通る肌の上に、
ほんのりと赤みを乗せた頬が、
更に朱に染まる。
彼女のむき出しの指先に触れる。
「ひゃっ。冷たい」
そういって彼女は
僕の手の冷たさに驚いてくすくすと笑った。
「ずっと待っていたから」
僕はそういって掌を重ね合わせた。
脈打つ彼女のぬくもりが伝わる。
君の笑顔を、
また来年も、再来年も見たい。
そう彼女に告白し、
赤く染まる唇に口づけた。
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