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「さて、こんな所じゃなんだから、場所を変えて聞かせてもらおうか。その深~い理由とやらを」
「…カツ丼、出ます?」
通じるはずのない誠一のギャグを当然のように金森は無視して、引き摺るようにして首根っ子を掴んだまま昇降口の階段を下りていく。誠一は危なっかしい足取りで、転ばないないように後に続く。
廊下を移動している際、何人かの生徒がその光景を見送り、その中にいた茜がポツリと彼に呟いた。
「ご臨終~」
お通夜の気分で誠一は、熱血教師に引きずられて生徒指導室の中へと消えていった。
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