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「ん…うん…」
ゆっくりと目が覚める。ぼんやりとした頭で周囲を見回す。
ここは何処?
何故私はここにいるの?
全くわからない。
ふと、視線を感じた。そちらを見ると三人の人が私を見つめている。
「気が付いて良かった。いきなり空から降りて来るんだもん。あれは何かの魔術なの?」
尋ねて来たのは桃色の髪の女性。
「何のこと?」
「覚えてないの?光に包まれて空から降りて来たんだよ。凄い魔術を使ったのかと」
「そうなの?魔術って何?」
すると三人は困ったような表情になる。
(変な事を聞いたのかな?)
すると、男の人が隣りにいる小さな女の子を見る。
女の子は納得したように頷いてから指を立て、何か呟いた。
「!」
女の子の指先から小さな火が現れた。
「これが魔術だよ。火の魔術ね。他にも水とか風とかあるんだよ」
女の子はそう言うと、火を消した。何事もなかったかのようににっこり笑う。
「あたしはルルって言うの」
「俺はアル」
「私はカノンノ。カノンノ・グラスバレー。貴女の名前は?」
「私は…ネリー」
「ネリー…いい名前ね」
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