1ー2 記憶喪失の少女

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「ん…うん…」 ゆっくりと目が覚める。ぼんやりとした頭で周囲を見回す。 ここは何処? 何故私はここにいるの? 全くわからない。 ふと、視線を感じた。そちらを見ると三人の人が私を見つめている。 「気が付いて良かった。いきなり空から降りて来るんだもん。あれは何かの魔術なの?」 尋ねて来たのは桃色の髪の女性。 「何のこと?」 「覚えてないの?光に包まれて空から降りて来たんだよ。凄い魔術を使ったのかと」 「そうなの?魔術って何?」 すると三人は困ったような表情になる。 (変な事を聞いたのかな?) すると、男の人が隣りにいる小さな女の子を見る。 女の子は納得したように頷いてから指を立て、何か呟いた。 「!」 女の子の指先から小さな火が現れた。 「これが魔術だよ。火の魔術ね。他にも水とか風とかあるんだよ」 女の子はそう言うと、火を消した。何事もなかったかのようににっこり笑う。 「あたしはルルって言うの」 「俺はアル」 「私はカノンノ。カノンノ・グラスバレー。貴女の名前は?」 「私は…ネリー」 「ネリー…いい名前ね」
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