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ルル「立てる?」
ネリー「うん!」
側に置かれた剣を腰に差し、ゆっくりと立ち上がる。どこにも痛む部分はないようだ。
ルル「あ、ちょっと待って」
ネリー「何?」
ルルは後ろに回り、ネリーの背中やお尻を軽く叩く。
ネリー「ルル?」
ルル「砂だらけだよ」
アル「いいか?」
ルル「うん、行こ、ネリー」
ネリー「行くってどこに?」
カノンノ「私達の船バンエルティア号だよ。それで貴女が行きたい所まで送ってあげる」
ネリー「行きたい所?」
そう言うとネリーは悩み始める。アルは少し考え、ある可能性に気付いた。
アル「まさか。ネリー、自分の名前以外で何か分かるか?」
ネリー「うん、分かるよ。火とか水とか、砂とか」
アル「聞き方が悪かったな。
例えば、俺達以外の人とか、街の名前なんかだ」
ネリーはまたも考え始める。カノンノとルルは混乱するばかりだ。
ネリー「分かんない」
アル「やっぱりな」
ルル「どういう事?」
ルルはネリーと一緒に首を傾げる。
カノンノ「もしかして、記憶喪失?」
アル「ああ」
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