1ー2 記憶喪失の少女

6/7
前へ
/339ページ
次へ
ルル「立てる?」 ネリー「うん!」 側に置かれた剣を腰に差し、ゆっくりと立ち上がる。どこにも痛む部分はないようだ。 ルル「あ、ちょっと待って」 ネリー「何?」 ルルは後ろに回り、ネリーの背中やお尻を軽く叩く。 ネリー「ルル?」 ルル「砂だらけだよ」 アル「いいか?」 ルル「うん、行こ、ネリー」 ネリー「行くってどこに?」 カノンノ「私達の船バンエルティア号だよ。それで貴女が行きたい所まで送ってあげる」 ネリー「行きたい所?」 そう言うとネリーは悩み始める。アルは少し考え、ある可能性に気付いた。 アル「まさか。ネリー、自分の名前以外で何か分かるか?」 ネリー「うん、分かるよ。火とか水とか、砂とか」 アル「聞き方が悪かったな。 例えば、俺達以外の人とか、街の名前なんかだ」 ネリーはまたも考え始める。カノンノとルルは混乱するばかりだ。 ネリー「分かんない」 アル「やっぱりな」 ルル「どういう事?」 ルルはネリーと一緒に首を傾げる。 カノンノ「もしかして、記憶喪失?」 アル「ああ」
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加